写真は今年のはじめに
私のパン作りではお馴染みの「酒種」で作った
「酒まんじゅう」
今回は一般的に
「酒種」
と呼ばれる事もある三種類
「米麹で起こす酒種」「酒粕酵母」「甘酒酵母」について
書いてみようと思います^^
随分以前に
SNSで「酒種」は「酒粕」でも良いですか?
「甘酒」でも良いですか?
そんなご質問がありました。
一言では言えないので
SNSの短い文章では
こういったご質問は困ってしまう事があります。
特にその方が何処までの知識をお持ちかもわからないので
その時は何とお答えしたかと言えば?
「私は米麹とご飯で起こしています♪」と^^
これしか言えないのです。
そして
もしそこに疑問を持つのであれば
少々勉強が必要になります。
さてさて本題。
その時お答えした通り
私は米麹とご飯で酒種を起こしています。
以前の記事も参考にして頂けると早いのですが
酵素と酵母は別物で
酵素はたんぱく質で生命はもたないんです。
では酒粕はと言えば?
粕と名が付くだけにお酒造りの副産物
米麹で酒造りがスタート!
途中の工程で
清酒酵母などを入れ発酵させて
最後に絞ったお酒の残り粕の酒粕です。
だけにそこには
酒造りに適した麹菌も残っているだろうし
酵素活性もあるだろうし
既に工程の中で入れている
酒造りに適した酵母もいる。
絞り粕だけに若干のアルコールが残りつつ
何と言っても
米ぬかの香りが特徴的です。
特徴的だけにこの香りが好みかは人それぞれ。
これもまた「酒種」と言えば酒種だけれど
米麹で起こした酒種とは風味も香りも
違うんですね。
次に甘酒酵母!?
この名前が聴こえてくると
これは少し勘違いさせてしまう名前だなぁっと
以前より思っていてね。
甘酒は60℃前後の
デンプン分解酵素のアミラーゼが働きやすい温度で
糖化させて作ります。
この60℃前後の温度は
アミラーゼ酵素は活性されても
酵母には高すぎる温度。
既に酵母は死んでしまっている可能性が
高いんですね。
さらに
市販の甘酒は最後に火入れ、殺菌されているものも多く
さらに酵素活性さえなし。
もちろん栄養や旨味はあります^^
そんなこんなで
もし甘酒酵母なるもので
パンが膨らんだならば?
それは
生き残った少しの酵母が
増えた可能性も無くはないものの
そこは菌の世界。
パンを頻繁に焼く家であれば
実際のところは
どこぞの研究機関に調べてもらわないと
わからないという話になるんですね。
これは酒種と呼べるかと言えば??
それは疑問ですよね。
しいて言えば甘酒風味の酵母とは
言えるかも知れません。
なので
米麹、酒粕、甘酒?どれが良いと言うより
自分は
「どの酵母種で作りたいか」
という事になるんですね^^
そんなこんなで
今日は私が知っている範囲での
酒種いろいろなお話しでした。
Source: パンが主役の”ものづくり”
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